こんにちわ。みらい です。
更新→
今回は構成的なデッキの作り方について紹介
というより、検討をしていきたいと思います。
なので、分かりづらい所があればコメントください。
今回考えるのはフリーのデッキのみになります。
デッキの区分についての詳細:
一応、この流れは、私が夏くらいにデッキを一気に10個くらい作ったのですが、その中で上手くいったデッキの作成法によって、意識するようになったことです。
(昔っから色々作ってきて何となくは思っていたのですが)
今回は実例を用いるのでデッキ紹介も兼ねていますよ〜っと。
コンセプトを定める
まずは、デッキの方向性を定めていきましょう。
ここで考えるコンセプトについて定義を与えます。
コンセプト とは
あるカードプールとその中の戦術の組である
とします。
ただし、カードプールとは、複数のカードからなる集合とし、
戦術とはカードプールの中に定められた関係であって、実際のゲーム内で実現可能なものとします。
例えば、「E・HERO エアーマン」は各「E・HERO」モンスターにそれぞれ戦術的に関係しています。
また、サーチに限らず、各上級「帝」はアドバンス召喚したモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できるので、それらのカードに対して戦術的関係を持ちます。
つまり、シナジーと似たような感じです。
余談:
(カードプールのカードをそれぞれ点だと思うと戦術はその中の関係を定めるので1種のグラフとしても考えることができますね。つまり、このコンセプトを元にデッキを作れば、そのデッキの主である構造はこのコンセプトによって決定されるということになります。)
このコンセプトの意味を考えることは、暗に
デッキの方向性を考えていることになります。
ここにコンセプトというネーミングの気持ちがあります。
方向性を定めることでデッキを作る際に迷わずに済みます。(方角と似たような感じで、いきたい方角が分かっていれば大体そこにいける というわけです。)
この段階では戦術は具体的には考えなくて構いません。
なぜなら、戦術はカードプールによって自然に誘導されるからです。
次の段階で戦術を具体的に検討します。
また、カードプールは出来るだけたくさんのカードを選びましょう。
これは、ブレインストーミングの要領で、この段階で出来るだけ多くのカードの候補を挙げておいて、次の段階で絞ることで、より広い視点のデッキ構築を可能にするためです。
また、次の段階で絞られ除かれたカードであっても、1度ピックアップしておけば調整の段階での検討が楽になるので、その点においても推奨されます。
この段階はデッキを作る上でよく省略される段階ですが、コンセプトを(やりたいこと)明確にすることで、より良いデッキ(長く遊べる)デッキを作ることができるでしょう。逆に、より良いデッキを作りたいなら、この段階は飛ばすべきではない ということです。
ここではコンセプトを定める2種類の方法を挙げたいと思います。
カテゴリから
ここでは、デッキをカテゴリから、
すなわち 名称やステータスなどで括られた 一つあるいは複数のテーマ
を用いて、それを軸にコンセプトを定めます。
いわゆるデッキタイプによって組んでいく感じです。
例えば、「ブルーアイズ」や「E・HERO」などはカテゴリです。
また、「ブラック・マジシャン」や「帝」などもカテゴリと考えることができます。
また、複数のカテゴリを選択することも十分考えることができます。
その場合、それらのカテゴリが互いに戦術的に繋がりを持たないカテゴリ同士を選択してしまうと意味がないので、繋がりを持つもの同士を選択しましょう。
そして、各カテゴリ内のカード達は戦術的な繋がりを持っているはずなので(そうデザインされている)、当然 1つのカテゴリ内では戦術的繋がりを持っています。
この選択したカテゴリからなるカードプールとその戦術の組をコンセプトとします。
具体的な手法としては、公式のデータベースやWikiなどを検索して
選択したカテゴリのカードやそれらと相性のいいカードを調べてリストアップしておきましょう。
戦略から
ちょっと変わった方法ですが、
戦略からデッキコンセプトを定めることもできます。
ここで言う戦略とは、
デュエル中の大まかなデッキの動きの流れ
を指します。明確に戦術とは区別します。
まあ、つまり アーキタイプからデッキを作っていこうってことです。
そして、戦略を定めてから、それに沿うようなカテゴリや相性のいいカードを"出来るだけ"選んでいくのがこの場合の流れになります。
ただし この場合、あまり広範な戦略を選択しても意味がありません。
例えば、「ビートダウン」を選択した場合には、考えるべきカードが多すぎるため現実的にまとめることができません。
そこからさらに踏み込んだ 例えば「特殊召喚の対策に特化したビートダウン」などに限定すると、十分絞り込むことが出来るでしょう。
また、コンボデッキや数枚のカードを中心とするデッキなどはこの方法に含まれます。
こうして定めると、カテゴリから定める方法とは違った、ちょっと変わったデッキができやすいです。(尖った戦略を考えるため)
この場合、選択した戦略に沿ったカードプールとその中の戦術の組をコンセプトとします。
例えば、「マアト」を中心とするデッキを考えるときも戦略から考えていると見なせて、
「マアト」に関連する
光属性・ドラゴン族、光属性・天使族、デッキトップ操作
などの要素を含むカテゴリやカードを出来るだけ挙げて、
それらのカードを全てカードプールとして選択し、そのカードプールとその中の戦術をコンセプトとします。
そして、先述の通り戦術は具体的に考えないでおきます。
また、具体的な手法も同様に、検索を活用しましょう。
デッキの骨組みを作る
次にコンセプトの構造からデッキの骨組みを作っていきましょう。
さて、前段階(コンセプト決め)によって、デッキの戦術が決まっています。
その戦術に対し、具体的にどのようなカードやコンボが必要なのか、その戦術によってそういった結果が得られるのかを検討しましょう。
つまり、コンセプトを実現可能な形に制限する(デッキの枠に収める)ということです。
(いわば、デッキの戦術を煮詰める感じですかね。)
なお、この段階で落とされたカード達も一応確認できるように保存しておきましょう。つまり、最初に作成したリストはとっておき、最終段階の候補として残しておきましょう。
ここでも、まだデッキを具体的に考えることはしません。ただ、デッキの完成形は見えてきます。
この段階はデッキを作る上で誰しもが意識をせずに自然にやっている段階ですが、明文化することで、よりはっきりとデッキを作ることができる、つまり、自分の作りたいデッキができるようになるはずです。*1
カテゴリから選択した場合
作ったカードプールの中から戦術的繋がりの強いものや良い結果が得られる戦術を選択していって、カードプールを制限しましょう。
例えば、
「E・HERO」は戦術的繋がりの強さによって、(もちろん「HERO」全体も含めて考えた方がいいが簡単のため)
「融合」を中心とするカード、
「マスク・チェンジ」を中心とするカード、
「E・HERO ネオス」を中心とするカード
に大別できます。
これらの分割したカードプールの中でデッキとしてまとめられる分にカードプールを制限して次のステップにいきましょう。
具体的には、作ったリストの中の戦術を確認して、デッキとして纏められるくらいまでリストを絞りましょう。
戦術から選択した場合
この場合も同様に、戦術的繋がりの強いものや良い結果の得られるものを優先的に選びますが、カテゴリの時よりも戦術的繋がりが自明じゃないのでよく注意しておきましょう。
複数のカテゴリを選択している場合は特に。
例えば、「特殊召喚の対策に特化したビートダウン」ならば、
この場合はメタデッキなので、周りの環境をよく観て、よく刺さるものを優先的に選んでいきましょう。
これも具体的には、リストを纏められるくらいまで絞りましょう。
枚数の調節
この段階では先ほど定めた骨組みに対し、それがデッキになるように枚数の調整などを行なっていきます。
また、40枚に満たずともデッキとして考えています。
この段階で、デッキにまとめられないと感じたら、1段階戻って構造を再検討し、カードプールを制限しましょう。
この段階は、さらに いくつかのステップに分けて進行していきます。
そして、3 と 4 と 5 はそれぞれを繰り返します。
1と2は場合によっては繰り返すこともあります。
1. 戦略的始点
まず、骨組みの戦略的始点を探しましょう。
ここで、戦略的始点とは、
コンセプトを
カテゴリから選択した場合、カテゴリのサーチカードを除く1番最初に使うカード(達)
戦略から選択した場合、その戦略の1番最初に使うカード(達)
のことをさします。
そして、骨組みの戦略的始点の枚数が 想定するデッキの合計枚数の1/5=20%以上になっていれば次のステップへ。(因みに、これはかなり単純化していて、実際は2枚以上のカードにより始動する戦略もあるが、今回は考えていない)
これは、確率の期待値の考えに基づいているのですが、大雑把に理由を言うと、
デッキを5枚ずつのカードの束に分けます。
簡単のため、40枚のデッキを分けることを考えると、8つの束に分けられます。
そして、これらに大体1枚ずつ行き渡るようなカードの枚数は8枚です。
つまり、8枚のカードを1枚ずつそれぞれの束に配分する、
このようなことを考えていて、
正確には、初手5枚の内に、平均して、それら8枚の1枚分が入っていることになります。
つまり、それぞれのゲームを平均すれば、その戦略的始点のカードは1枚きている
ということになって、
各ゲームにおいて、大体その戦略を行うことができる
と考えています。
この条件は、まさに、デッキの根幹たる戦略の条件となっています。
注意として、このステップはデッキの事故を回避するためのプロセスは十分に含んでいません。このステップではデッキの戦略の満たすべき最低条件のようなものを考えています。事故回避のプロセスついては先のステップにて検討します。
(この戦略的始点の枚数を余りに引き上げ過ぎると、それを満たすコンセプトがなくなってしまうので)
そうでない場合、つまり 戦略的始点のカードの枚数がデッキ総数の20%に満たない場合には、
その戦略的始点を補うカード達と戦術を見繕ってきて、その枚数に加えましょう。
例えば、
その戦略的視点となるカードをサーチできるカードを加えたり、
少ない枚数で十分強力な結果を発揮できる戦術を含むカード達(俗に言う、出張セット)を加える
などして、水増ししましょう。
これらのカードがある場合は、その検討などを含めて後のステップで考察して、出来るだけ様々なパターンを検証しましょう。
これによって、繰り返しが起きることもあります。
2. 戦術的終点
このステップでは、戦術、特に サーチやリクルートなどによって行き着く最後のカードで手札に普通に引いてもあまり意味がないカードに着目します。
ちょっと追記:
“行き着く最後のカード”という表現は正しくありませんでした。
正確には後者の表現:手札に引いてもあまり意味のないカードとしてとらえてください。
このステップの名前(戦術的終点)はこの記事ではこのままにしますが、以降の記事では変更します。(いい名前思いつかないけど)
追記おわり。
つまり、引きたくないカード達のことです。
例えば、
「彼岸」において、出張セットの「SR」でランク3エクシーズを達成したいカード達を考えると、
戦術的終点は「SRータケトンボーグ」に当たります。
この例からもわかるように、引きたくないカードであっても、何らかの役割を持つことはあります。(例では、風属性モンスターがデッキにたまたま入っているなど)
が、実際のゲームを平均して考えれば、その影響力は十分低いことが分かります。
こういった意味で、引きたくないカードとして考えています。
そういったカードが存在しないデッキも普通にあります。その場合はこのステップは飛ばしましょう。
さて、戦術的終点ですが、
その枚数は3/40=7.5%以下に押さえましょう。
これも前のステップと同様に考えていて、
大体3ゲームにつき2回はそれらのカードを引かない
と言う感じです。(それくらいは我慢しましょうと言うことです 笑)
とはいっても、無理にそれらのカードをデッキから除いてしまっては、
戦術が機能しなくなったり、その結果が著しく悪くなったりすることも
往往にしてあることでしょう。
なので、それらのカードがデッキに与える影響を緩和しましょう。
詳しく言うと、それらを引いてしまった時でも、他のカードによって、それらのカードに何らかの役割を持たせることで、緩和させましょう、と言うわけです。
例えば、(先ほどの例は除くしかない例だと思います。)
引きたくないカードがレベル8であるなら、デッキと相性のいい他のレベル8とともに「トレード・イン」を採用する
などしましょう。
ここで、曖昧にしていることがあって、この緩和というのがどれほどその引きたくないカードの枚数に影響を与えるのか、という問題があります。
これは、一般には難しくて、というのも、先ほどの例であっても、結局「トレード・イン」を引かなければ意味がない訳で、その確率に依存するんです。
なので、実際にデッキを考える時には、その人の感覚で決めてもらうしかありません。
さらに、緩和の為のカードの選別も後のステップの考察と合わせて検討しましょう。
この場合、このステップも繰り返すことになります。
3. 弱点の補強
さて、先にも書いた通り、ここからのステップは繰り返しになります。
まず、第一に、現段階のデッキの弱点を洗います。
そして、それらを補うようにカードを加えます。
これは、デッキによって、また環境によって まちまちなので、詳しくは言いませんが、
1 と 2 で考えた条件は満たすように意識してください。
一応、弱点を把握しやすくなるようなチェックリストを考えておきましょう。
簡単に例をあげると、
- 除去能力
- 破壊以外の除去能力
- 継戦能力
- 初手対応力
- 基礎打点
- 各種メタ(特殊召喚メタ、効果メタなど)への対応
当たり前ですが、こういったチェックリストを全て満たす必要はありません。(それは、トーナメントのデッキにした方がいいですしね。)
出来るだけ満たしましょう というスタンスです。
ただ、優先順位はつけておいた方がいいでしょう。
4. 事故の回避
このステップこそ確率を使ってするのは現実的でないので、大雑把に行きます。
最低限の条件だけを考えましょう。
初手に引けば何とか粘れるようなカード達をデッキの基盤として、
その基盤の枚数を16/40=40%以上にしましょう。
これには2つの理由があって、
1つは、先ほどと同様に考えて、各ゲームで大体2枚ずつ手札に来るようになって、その場合、1枚が相手の妨害によって潰されてもいいようにしている ことと、
もう1つは、この枚数以上で、それらのカードを引かない確率を大体5%以下に抑えることができることです。
これは最低限の条件であってこれを満たせば十分に事故を回避できるわけではありません。
実際のゲームで確認して、デッキのバランスをとることを繰り返しでは行なってください。
5. 実戦
実際にゲームをやってみて、その完成度を確かめます。
当然ですが、なるべく多くの回数をこなした方がいいです。
この段階で、
満足できる完成度に達していると感じたら現在のデッキを完成として、デッキ作り終了です。
そうでなければ、ステップ 3 へ戻ってもう一度繰り返します。
(実戦を行なったことで、より以前のステップがスムーズに行えるはずです。)
実例&デッキ紹介
コンセプトを定める
今回用いる例はカテゴリから作って行こうと思います。
選択するカテゴリは
「魔妖」
にしようと思います。
軽く紹介をば。
「翼の魔妖ー波旬」
「翼の魔妖ー波旬」へ→
Hajun, the Winged Mayakashi | Card Details | Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME - CARD DATABASE
「麗の魔妖ー妲姫」
「麗の魔妖ー妲姫」へ→
Dakki, the Graceful Mayakashi | Card Details | Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME - CARD DATABASE
「麗の魔妖ー妖狐」
「麗の魔妖ー妖狐」へ→
Yoko, the Graceful Mayakashi | Card Details | Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME - CARD DATABASE
またこの②の効果と同様に、「魔妖」シンクロモンスターは自身のレベル+2のレベルを持つモンスターの破壊時に自身を蘇生させる効果を持っていて、*2蘇生時の効果もそれぞれあります。また、「魔妖」シンクロモンスターには3以上11以下の奇数レベルのモンスターがそれぞれ1体ずついます。
「氷の魔妖ー雪女」
「氷の魔妖ー雪女」へ→
Yuki-Onna, the Ice Mayakashi | Card Details | Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME - CARD DATABASE
このカテゴリの基本的な戦術は
「翼の魔妖ー波旬」の①の効果で「麗の魔妖ー妲姫」を特殊召喚します。
「麗の魔妖ー妲姫」を使ってシンクロ召喚すれば、その②の効果により、「麗の魔妖ー妲姫」を蘇生させることができるので、
この手順を反復することで、レベルが2高いシンクロモンスターを連続でシンクロ召喚することができます。
こうして、墓地に「魔妖」シンクロモンスターを貯めて、フィールドのモンスターが破壊されても墓地から別のモンスターが蘇り効果を発動させる
そういったテーマになっております。
さて、カテゴリは「魔妖」に選択するとして、先を見越して、このデッキの弱点、すなわち 能動的な蘇生を可能にできるように、他のカテゴリとのハイブリッドを考えたいと思います。
ここで「アンデッド」は「魔妖」を含んでいて、ハイブリッドを考える上で自然ですが、
「魔妖」がメインのデッキというよりかは、「アンデッド」メインになりそう、つまり 「魔妖」も使うけど「アンデッド」で毎ターン対応していくような戦術になりそうなので、今回は違うものを目指してみましょう。
「魔妖」の戦術に目を向けると、アンデッドらしく そのシンクロモンスターの蘇生により戦線を維持します。そしてこの蘇生は自身の効果でなくても良いので、そこに着目しましょう。
ここで「星遺物」&「星杯」を考えましょう。
このカテゴリには「星遺物の導き」や「星遺物に眠る深層」、「星遺物を継ぐもの」、「星杯剣士アウラム」といった蘇生してくれるカードが多くあり、逆にこのカテゴリには蘇生したいモンスターは少ないので、噛み合わせがいいのです。
そして、今回は通常モンスターを普通に入れても事故に繋がるだけなので、工夫して、「バージェストマ」をその代わりとします。
一応、各キーカードへのリンクだけつけておきます。
「星遺物ー『星杯』」へ→
World Legacy - "World Chalice" | Card Details | Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME - CARD DATABASE
「星杯剣士アウラム」へ→
Auram the World Chalice Blademaster | Card Details | Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME - CARD DATABASE
「星杯の妖精リース」へ→
Lee the World Chalice Fairy | Card Details | Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME - CARD DATABASE
「星遺物に眠る深層」へ→
World Legacy's Secret | Card Details | Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME - CARD DATABASE
「星遺物の導き」へ→
World Legacy Landmark | Card Details | Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME - CARD DATABASE
「星遺物を継ぐもの」へ→
World Legacy Succession | Card Details | Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME - CARD DATABASE
そして、この記事に具体的にリストを書いたりはしませんが、実際は検索を駆使してやっております。
骨組みを作る
さて、「魔妖」と「星遺物」&「星杯」の戦術的な繋がりについて確認しておきましょう。
当然、「星遺物」&「星杯」は「魔妖」モンスターを蘇生できるという意味で関係しています。
ただし、「魔妖」には『この効果を発動するターン、自分は「魔妖」以外のモンスターをEXデッキから特殊召喚できない。』という制約のある効果があるので、注意が必要です。
制約を持つカード:*3
「翼の魔妖ー波旬」(自身がフィールドにいるとき)
「麗の魔妖ー妲姫」(効果を発動するターン)
少し検討してみましょう。
「星遺物」&「星杯」でエクストラデッキを使用するのは「星杯剣士 アウラム」の流れです。*4
まず、1ターン目*5、「魔妖」の展開をする場合、このターン「魔妖」以外のモンスターをエクストラデッキから特殊召喚できないですが、そのターンは大抵 通常召喚をしてしまっているはずなので、「星杯剣士 アウラム」と競合することはありません。つまり、同時に出すことはないということです。
1ターン目で「魔妖」展開ができず2ターン目以降で「魔妖」の展開をする場合も同様です。ただし、「魔妖」の展開ができない場合、「星遺物」&「星杯」だけでは十分な展開を見込めないので*6、そのターン分は相手に与える猶予になります。したがって、出来るだけ早いターンで「魔妖」の展開をすることが必要になります。
次に、1度「魔妖」の展開を行えば、墓地の「魔妖」シンクロモンスターを除外されない限り、蘇生によって戦線維持が可能です。つまり、「麗の魔妖ー妲姫」を2度使う必要性が薄いということです。したがって、「魔妖」の展開は1度で十分で、1度「魔妖」の展開を行ってしまえば、後の展開に影響を及ぼすことはありません。
また、「翼の魔妖ー波旬」はその効果により即座に「魔妖」シンクロモンスターの素材にすることができますが、効果が無効にされた場合は面倒で、破壊してもらうか 破壊されるために特攻するか しなければなりません。一応、「星遺物ー『星杯』」のアドバンス召喚のためのリリースに活用すればうまく処理できます。*7このケアを考えて置く必要があります。
そして、ハイブリッドとなると必然的に、それぞれのカードプールは必要最低限に抑えられます。
なので、ここでは、メインデッキに入れるモンスターを次のように制限します。
「魔妖」は
- 主となる動きの「翼の魔妖ー波旬」、「麗の魔妖ー妲姫」
- 「魔妖」のサーチカード「魔妖廻天」
- 「魔妖」専用蘇生「魔妖変生」を
「星遺物」&「星杯」は
- このカテゴリのキモ「星遺物ー『星杯』」
- それをサーチする「星杯の妖精ーリース」
- 「星遺物ー『星杯』」によって特殊召喚される「星杯」モンスター達
- 「星遺物」の各種蘇生カード
- 「バージェストマ」カード
このくらいのものから次の段階を考え始めましょう。
「魔妖廻天」へ→
Mayakashi Return | Card Details | Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME - CARD DATABASE
「魔妖変生」へ→
Mayakashi Metamorphosis | Card Details | Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME - CARD DATABASE
枚数の調節
さて、今回はステップ5を最後にやる形で、(1、2)、3、4のみを繰り返し回します。
1. 戦略的始点
今考えているデッキの戦略的始点は
このカードになります。*8
(「星杯の妖精ーリース」は「星杯」の動きが、このデッキの場合、基本的に「魔妖」ありきの動きなので戦略的始点には相応しくないと考えています。)
これらのデッキに投入できる枚数を数えましょう。
すると それぞれ、3、3、1、枚入れることができるので、
合計7枚ということになります。
先述の戦略的始点の条件を満たしていませんね。
とりあえず、デッキの総枚数の予定を40としておきましょう。
すると、残り投入しなければならない枚数は1枚以上です。
ここで投入するカードはいろいろ選択肢があると思います。
例えば、単純なものでも*9
- 遅さを無視するなら「ゴブリンゾンビ」
- もしくは 何か出張セット
がありますが、
いろいろ考察した結果
「不知火の隠者」と「ユニゾンビ」と「馬頭鬼」
が適当でないか
という結論に至りました。
「不知火の隠者」へ→
Shiranui Solitaire | Card Details | Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME - CARD DATABASE
「ユニゾンビ」へ→
Uni-Zombie | Card Details | Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME - CARD DATABASE
「馬頭鬼」へ→
Mezuki | Card Details | Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME - CARD DATABASE
とりあえず、1の条件だけを考えます。(他はのちに適宜行います)
どのように戦略的始点になるのか というと
戦略的始点になるのは「不知火の隠者」です。
先行の場合、
「不知火の隠者」を召喚し①の効果で自身をリリースして「ユニゾンビ」を特殊召喚。その②の効果を発動し、デッキから「馬頭鬼」を墓地へ送り自身のレベルを1つあげる。その後、「馬頭鬼」の効果により「不知火の隠者」を墓地より蘇生。レベルの上がった「ユニゾンビ」と「不知火の隠者」でレベル8シンクロを行う。
(因みに、「ユニゾンビ」の効果を使ったターンなので、この後にアンデット族モンスター以外は攻撃できないが、先行の場合はそれを考えることなく、ここで特殊召喚するモンスターはアンデット族以外でも特に気にすることなくシンクロ召喚を行える。)
今回採用するレベル8シンクロモンスターは「PSYフレームロード・Ω」
PSY-Framelord Omega | Card Details | Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME - CARD DATABASE(理由は後述、他のシンクロモンスターはエクストラの圧迫がきついので考えないことにします。枠が余ったらその時に考えます。)
後攻の場合、
先行の場合と同様に展開すれば、アンデット族以外攻撃できない。
なので、攻撃する必要がありそうな時は「ユニゾンビ」の効果の対象を相手モンスターにして最終的なレベル合計を7にすることで「魔妖」シンクロモンスターにつなげたり、「ユニゾンビ」の①の効果も活用して最終的な合計レベルを9にして「麗の魔妖ー妖狐」につなげたりして、それらのモンスターで攻撃を行う。
以上をこのデッキの新たな戦略として採用することで、戦略的始点を水増しします。
因みに、上述の「PSYフレームロード・Ω」への一連の流れは、さらにターンを跨いで、
その①の効果により除外された「馬頭鬼」を墓地に戻す。次のターンで、何かモンスターを召喚。「馬頭鬼」を除外し「ユニゾンビ」を復活させる。「ユニゾンビ」の②の効果を使いデッキから「麗の魔妖ー妲姫」を墓地へ送り、召喚したモンスターと合計レベルが奇数になるようにレベルを上げる。すると、「魔妖」シンクロモンスターがシンクロ召喚でき、「麗の魔妖ー妲姫」が反応して自己再生してくる。
こうして、その流れは「魔妖」へと繋がって行くので、結局新たな戦略は元の戦略の延長であった と結論づけることができます。
以上より、これらのカード何枚かを投入すれば、戦略的始点の条件はクリアできます。
「不知火の隠者」は3枚にしちゃいましょう。
2. 戦術的終点
現在での引きたくないカードの候補を挙げていきましょう。
最後のカード達はこのデッキでは如何しようも無いと思います。(手札コストにするくらい?)
「星杯剣士アウラム」の投入枚数も含めて、「星遺物」&「星杯」の動きは1度のみやることにすると、それらの枚数は2枚に抑えられます。*10
現状、「ユニゾンビ」と「馬頭鬼」は墓地に「馬頭鬼」を送って「魔妖」モンスターの蘇生に使うくらいしかありません。
なので、枚数を減らそう。
と思っていたのですが、
「ユニゾンビ」がチューナーであることを活かしてみると上手くいきました。
具体的には、特殊召喚できるレベル5のモンスターの投入をします。以下にその理由を示します。
まず、「ユニゾンビ」がチューナーであるため、その効果を使ってデッキから「麗の魔妖ー妲姫」を墓地へ送ってシンクロ召喚することを考えて、特殊召喚可能なモンスターが望ましい。(正確には通常召喚権の余る奴)「魔妖」モンスターをシンクロすることを考えると、「麗の魔妖ー妖狐」は出しておきたいので、その許容できるレベルは5以下である。(「ユニゾンビ」1体の時には自身のレベルを上げるしかないため)また、「星遺物に眠る深層」のことを考えると、レベル5以上が望ましい。したがって、最適なのはレベル5である。
一応、特殊召喚可能なことは「バージェストマ」がカバーしています。
ここで、このレベル5の候補は色々ありますが、やはり「星遺物に眠る深層」のことを考えると、特に相手ターンでの特殊召喚に目を付けると、「アーティファクト」が良いでしょう。
デッキ枠がそろそろキツイので、最低限だけ採用します。
Artifact Sanctum | Card Details | Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME - CARD DATABASE
Artifact Scythe | Card Details | Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME - CARD DATABASE
Artifact Moralltach | Card Details | Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME - CARD DATABASE
因みに、これらのレベル5の投入によって、「麗の魔妖ー妲姫」のことも緩和されています。
また、「ユニゾンビ」は「麗の魔妖ー妲姫」の直接の緩和になっています。少し遠いですが。
「ユニゾンビ」と「麗の魔妖ー妲姫」が手札にあるとする。「ユニゾンビ」を召喚しその①の効果により「麗の魔妖ー妲姫」を墓地に捨てる。続けて②の効果により、デッキから「馬頭鬼」を墓地へ送る。「馬頭鬼」の効果により、「麗の魔妖ー妲姫」を蘇生。*11炎属性を含むモンスター2体で「灼熱の火霊使いヒータ」をリンク召喚。*12破壊されれば、その効果により、デッキから「不知火の隠者」を手札に加えることができる。
「灼熱の火霊使いヒータ」→
Card Details | Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME - CARD DATABASE
以上より、「ユニゾンビ」は3枚入れることにしましょう。(普通に引いても事故ではないしね。)
「馬頭鬼」は上の議論から2枚必要なので2枚にします。
また、「麗の魔妖ー妲姫」は出来るだけ減らしたいのですが、「翼の魔妖ー波旬」がデッキからしか特殊召喚できないので、1枚にするのはリスキーです。
が、あえて、1枚にします。つまり、上の方法で引いても処理できると考えました。*13
こんなもんで調整は終了にしておきます。
実はこれらの緩和の裏で「アーティファクト」モンスター2体が引きたくないカードになってしまっているのです。
一応、「バージェストマ」には「サイクロン」互換がありますが....
実際には「アーティファクト」モンスターを引いてしまっても、そこまで影響しないと考えていて、
というのも、このデッキは蘇生カードが他のデッキより多いです。それを考えると"やぶ蛇"を狙える、もしくは そのこと自体がプレッシャーになって、「魔妖変生」や「星遺物の導き」を適切なタイミングで使えるようになる.....はず。「星遺物に眠る深層」は逆に危ないかもしれませんが.....
実はこういう事って結構あったりします。堂々巡りって奴ですね。その場合は割り切って考えましょう。
3. 弱点の補強
さて、ここでのステップで追加したカード達はここでの検討を見越して選んでいるため、大抵の条件はほとんどクリアしています。
一応、先ほど挙げた項目を再掲してチェックしておくと
- 除去能力
- 破壊以外の除去能力
- 継戦能力
- 初手対応力
- 基礎打点
- 各種メタ(特殊召喚メタ、効果メタなど)への対応
- 「アーティファクト」や「バージェストマ」によって1つ目は補強された、
- 一応、「星杯」の展開によって、大型リンクモンスターを出すことで対応、
- 元からある、
- 「アーティファクト」、「バージェストマ」によって補強、
- 元からある、
- 無理。
こんなもんですかね。
4. 事故の回避
さて、引けば粘れるカードを考えると
まず、戦略的始点は当然含まれます。枚数は10枚。
「アーティファクトの神智」や「ユニゾンビ」をその枚数に含めると何とか16枚達成できそうですね。
あとは、蘇生カードの枚数くらいなもんですが、
"サーチができる"ので
"サーチができる"ので、
残りの枠に合うように適当に入れましょう。
5. 実戦
さて、実戦です。
とはいっても最近リアルであんまりその機会がないので少し困ったんですが.......
デュエリスト交流会
デュエリスト交流会2018 3rd | イベント・大会 | 遊戯王OCG デュエルモンスターズ
なるイヴェントがあったので、そちらに参加させてもらいました。
そのレポートをここからちょっとします。
結局できたデッキはこちら:
実は今回3ヶ月ぶりくらいの実戦だったので、普通に他のデッキも持って行って遊んできたので、この「魔妖」で戦ったのは3回でした。(もうちょいやっとくべきだった。)
結果を考察する前に、
実戦をやってみて、1つ勘違いしてた事がありました...
「星遺物の導き」って「星遺物」モンスターを除外しなきゃダメなんすね。( カードじゃダメなんすね)*14
やっぱり、実際にゲームやってみないとこういうミスを見つけられないですよね。
この事も踏まえて、さらに完成度を上げようと思います。
さて、対戦カードと結果を確認します。
- vs 月光 ×
- vs エーリアン ◯
- vs クローラー ◯
でした。
内容をそれぞれ振り返ってみます。
1. vs 月光
こちらが先行。初手が魔法・罠の中に「ワン・フォー・ワン」があるという事故。一気に 1500 まで削られる。次のドローで「不知火の隠者」を引いてなんとか「魔妖」がスタートし盤面を覆すが、次のターンで「月光舞獅子姫」を出される。破壊&対象耐性によりそのまま押し切られる。
2. vs エーリアン
こちらが先行。「ワン・フォー・ワン」を発動でき、快調な滑り出し。一方相手は事故の模様。優勢を維持したまま、相手の最期の希望「エーリアンモナイト」に対し「アーティファクトの神智」で「アーティファクトーデスサイズ」を合わせ、決着。
3. vs クローラー
こちらの先行。「不知火の隠者」からスタート。うっかり「クローラー・スパイン」を踏んで「PSYーフレームロード・Ω」が破壊されたり、「星遺物の交心」で「ユニゾンビ」を無効にされたり、「カオス・ポッド」を踏んだりしたが、何とか「浮夜城」で押し切れた。
考察に移ります。
- 「星杯」を全く使わなかったのでよく分からなかった
- 「アーティファクト」強かった
- 初動は十分達成できた
- 一応、耐性持ちに対する「ヴァレルソード・ドラゴン」だったが、「星杯」の派生として出そうと思っていたので適切なタイミングで使う事ができなかった
まず、エクストラデッキについて、
「ヴァンパイア・サッカー」はどこか使う場面があるかなと思っていれてたのですが、そんな場面なかったので、何かリンクモンスターに変えましょう。
「バージェストマ・オパビニア」も使う余裕がなかったので変えましょう。
耐性持ちに対して対応するモンスターを入れるのが適当ですかね。
調整案1:
「星杯」&「星遺物」全部抜いて、汎用蘇生カードと「アーティファクト」を増やす。
今回「星杯」を使わずともこれらのカードで十分に戦えたため、丸くするならこれがいいでしょう。
また、エクストラデッキの枠も開くので更に対応の幅が広がりますね。
ただ、今回のコンセプト全否定なので、頑張って次の調整案を出します。(多分、1の方が安定して強い。)
調整案2:
「星杯の守護竜」「星杯を戴く巫女」「星遺物を巡る戦い」を、「星杯の妖精リース」「星遺物ー『星杯』」「バージェストマ・オレノイデス」に変えてみる。
「星遺物ー『星杯』」の特殊召喚が2体であることに(2種類でなく)もっと早く気づいていれば...
あと、「バージェストマ・オレノイデス」はもっと増やして、「アーティファクト」の破壊に役立てた方がいいかもしれないです。
「星杯」自体は相性悪くないと思うんですけどね。引かないと分からないよ。
一応、この調整案でまた実戦をして、足りなければまた調整。っていう流れになります。
まとめ
以上の手法をまとめると
- 使いたいカテゴリ(または戦略)を選択する。
- そこから関係するカードを検索などによってリストアップする。
- 作成したリストの戦術をよく考察して、デッキとして実現可能なように制限する。
- 制限したリストの戦略的始点と戦術的終点の枚数をチェックして条件を満たすようにする。
- 弱点の補強や事故の回避、実戦を繰り返す。
になります。
今回は一般的にデッキを取り扱っていて、実は具体的な手法については作り手にかなり依存しています。
ただ、それでも、デッキ作りの工程で暗に行なっていた作業を明確化しているので、よりデッキ作りがやりやすくなったのではないかと思います。
そして、これらデッキ作りの流れから、さらに議論が進めば、より理論的なデッキ作りが可能になるでしょう。
次回は、多分 LINK VRAINS PACK 2 で再編することになったデッキ達の検討になりそうです。
それでは、このあたりで。
この記事を観てくださった皆様がより良い
*1:構造が分かると"できること"が分かる
*2:ただし、レベル11の「骸の魔妖ー餓者髑髏」はリンクモンスターに反応します。
*3:「魔妖変生」は省略。
*4:他のリンクモンスターも出しますが、このカテゴリのメインの流れに含まれるかそうではないのであとで個別のモンスターについて確認するので十分です。
*5:自分のターンで
*6:デッキに入れる割合にも依るが、ハイブリッドなので特に
*7:引ければ、ですが
*8:因みに、最初の段階のカードプールに「ワン・フォー・ワン」は入っていました。このようにして、最初のカードプールはこの段階の至る所で使えます。多分、弱点の補強以外ならそれを考えるだけで行けるかも
*9:コンセプトが定まっているので出来れば単純なものにしたい
*10:これ以上減らすと1度もできなくなる場合が結構出てくると思います
*11:「馬頭鬼」の蘇生なので制約は発生しない。
*12:ヒータちゃんカワイイヤッター
*13:後、揃えるの忘れた
*14:いつか、一回確認した事あった気がしなくもない